2022年5月14日
イチゴの話 イチゴが赤くなるのはなぜ?
フラワーコンシェルジュはな菜です。
お店の前にあるイチゴのプランターに今年はたくさんの実をつけています。連休以来だんだん赤く染まり、 道行く人が
「イチゴすごーい!畑じゃなくてもこんなにできるんだね!」 「見て見て!かわいいね。○○ちゃん、イチゴってこんな風にできるんだよ」 「初めて見た」「うちでもできるかな」等々 かなり注目を集めている人気者です。
さくらとイチゴは人をウキウキさせる効果があるようです。
クリスマスケーキに乗っているいちご。
春のいちご狩り。
イチゴは白い花に緑の葉っぱ、そして赤い実と色やフォルムのバランスがよくて
食べておいしい、見て可愛い植物です。
バラ科いちご属の多年草。
本題です。
イチゴが赤くなるのはなぜ?
赤は人にとって食欲をそそる色。
飲食店、ファストフードの看板に赤い色が多く使われるのはそのためです。
そしてイチゴが赤くなるのはまさしく、動物に食べてほしいから。
赤い色の正体は「アントシアニン」の働きによるものです。
「アントシアニン」は植物の赤や紫などの色素の一つです。
白い花の中心にはすでにつぶつぶの小さな緑色をしたイチゴが顔を出します。
その小さな実に糖(栄養)を蓄えながら成長していきます。
そしてある程度大きくなり、日光にあたると緑色の正体・葉緑素がこわれ、 アントシアニンが作られだんだんと赤く色づいてきます。
葉と同じ色の緑の実よりも 赤いイチゴは目立っておいしそうですよね。
イチゴは赤くなって動物たちに食べていいよのサインを出しているのです。そのために緑から赤へと変わっていくのです。
ではなぜ食べられたいの?
イチゴは小さいときからつぶつぶがたくさんありました。
このつぶつぶは イチゴのタネ。
タネは新しい芽をだして仲間を増やしていくために植物にとって一番大切なものです。
芽を出すためにタネの中では準備をしなくてはいけません。
その準備が整う前にたべられないよう葉っぱと同じ色で身をひそめ、
準備完了になったら食べてもらえるよう赤くなり、OKサインを出しているのです。
(実は食べられても、タネそのものは固い殻に覆われていてふんと一緒に外にだされ、
その地で新しい芽を出していきます)
タネを運んでもらう代わりにイチゴは
〇糖 ・・・・エネルギーとして体を動かす栄養
〇ビタミンC・・・疲労回復、病気の予防、皮膚を整える
〇赤い色の元アントシアニン・・体に害になる物質(活性酸素)をこわす
など、動物に有用な成分を蓄えた食料となっているのです。
私たちがお店で買って食べるイチゴはタネではなく、
イチゴの根元から伸びてくる「ランナー」というツルのようなものから苗をふやして作っています。
「ランナー」は親となるイチゴから長いツルを出し、その先には芽がでていて、
土に芽が触ると根をだして新しい苗に生長していきます。
根がしっかり張るまで親のイチゴはツルを使って栄養を分けてあげているんです。
私たちが買って食べているイチゴは
イチゴが持っている性質を品種改良や効率化し、
たくさん収穫でき、安定した食料として栽培されています。人のちからで野草から野菜(果物)になったんですね。
仲間を増やし、自分たちの種(しゅ)がなくならないようにいろいろな策をもっているのも
植物の面白いところですね。
花を中心にして何だろう?どうして?を考えるると 知らなかった自然の力や不思議がたくさんあることに気づきます。はな菜と一緒にたくさんのなぜ?どうして?を考えてみましょう。